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10月, 2009の投稿を表示しています

4th International Expert Meeting on the Treatment of Parkinson's disease

 ホテル日航東京で開催された、4th International Expert Meeting on the Treatment of Parkinson's diseaseに参加しました。  欧米の先生方が提示するジスキネジアの動画は、日本での診療で経験するものよりはるかに激しいことは 以前も書きましたが 、本日のInnsbruck Medical UniverictyのPeowe先生のプレゼンテーションもそうでした。先日シカゴで開催されたNeuroscience 2009で、私のポスターの患者さんたちが治療開始後もジスキネジアが出ていないことをマサチューセッツ総合病院のSchwarzschild先生に伝えると、「I know therapy is mild in Japan.」とおっしゃっていました。きめ細かい治療と言ってほしい...  未治療で症状も日常生活に影響ない症例で、治療を始めるか、開始せずに経過観察するかのcontoversyがありました。前者と後者で、会場の意見は半々だったのが意外でした。

医学のあゆみ 第231巻 第5号

医学のあゆみ 第231巻 第5号に三品雅洋と東京湾岸リハビリテーション病院近藤国嗣院長が書いた、「 脳卒中地域連携パスの現状と今後の課題 」が出版されました。印旛脳卒中地域連携パスの運用実績報告を兼ね、メンバーの方には別刷りを郵送する予定です。

PMOD Version 3.1

PMOD Version 3.1がリリースされたとメールが来ました。でも、アップデートは有料のようです...

第2回千葉県脳卒中講演会

 ホテルニューオータニ幕張で第2回千葉県脳卒中講演会が開催されました。日本脳卒中協会千葉県支部・大塚製薬の共催です。  私は千葉県共用パスに関する講演をしました。 印旛脳卒中地域連携パス では、東京女子医科大学八千代医療センターと東邦大学医療センター佐倉病院は共用パスを使い始めていますが、日本医科大学千葉北総病院脳神経センターはいまだ準備中です。  埼玉医科大学棚橋先生からは、抗血小板療法に関するご講演がありました。マウスの血管にレーザーを当て、血栓が形成されていく様子、そしてそれが再開通する様子が動画で提示されたのは印象的でした。アテローム血栓性能梗塞に対する先着として、抗血小板療法も大事ですが、病態のベースとなる動脈硬化の進展抑制も大事であることを強調されていました。併用療法は、risk & benefitを熟慮すべきとのことです。無症候性脳梗塞については、患者さんをびっくりさせないように説明し、抗血小板療法ではなくリスクファクターの管理を優先するよう、まもなく脳卒中治療ガイドライン2009に記載されているとか。しかし、無症候性の血管狭窄に関しては別で、手術やステント、抗血小板療法と、粥種を不安定化させない治療をすべきということでした。

財を残すは下、仕事を残すは中、人を残すを上とす

楽天イーグルス野村克也監督のお言葉。 印旛脳卒中地域連携パス も、今は「中」。これを維持・管理・発展させる「人」を残さなければ。

日本医科大学千葉北総病院医療連携協議会

 ウィシュトンホテル・ユーカリで開催された、日本医科大学千葉北総病院医療連携協議会に参加しました。千葉県医師会石川先生をお招きし、地域医療連携のモチベーションと現在進行中の千葉県共用パスについてご講演いただきました。千葉県の医師不足・看護師不足、そして医療崩壊の中、効率的な医療に医療連携は必然であること、今後の取り組みについてご説明がありました。  懇親会では、様々な先生方と意見交換ができました。地域の小規模な中核病院が、三次救急のサポートができないか、例えば、脳卒中の既往がある患者が肺炎になったとき、中核病院が担当するような連携も必要ではないか。脳卒中後うつも重要な事項であり、脳卒中地域連携パスを使ってフォローができないか。医療崩壊を何とかしたいのは急性期病院だけではありません。集まっていただくことで、様々なアイデアが生まれてきます。  印旛脳卒中地域連携パスのサイトは こちら 。

「千葉県共用地域連携パス」の普及に関するシンポジウム

 千葉市文化センターで開催された、千葉県医師会・関係病院・県の恊働による「千葉県共用地域連携パス」の普及に関するシンポジウムに出席しました。心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・がんの事例が提示されましたが、やはり脳卒中の運用数が圧倒的です。千葉脳神経外科病院の涌井先生からは、急性期病院としての使用経験が報告されましたが、これらの資料は事務の方が集計したものだそうです。連携パスも治療パスも効率的に使用されていますが、事務系の協力が大きいようです。東京湾岸リハビリテーション病院の近藤先生からは、共用パスにより受け入れが早くなったことが強調されました。これまでは各病院でフォーマットが違っていて、しかも欲しい情報が抜けていたため、面談にも時間がかかっていたのが、回復期リハビリテーション病院が中心になって作った共用パスを用いると、欲しい情報が書いてあるし、フォーマットの統一により把握もしやすいそうです。しかし、シートの字が小さいため、FAXでは文字がつぶれて読めないこともあるみたいです。最終的に原本を持参いただくので問題はないそうですが、やはり、申込時もFAXではなく電子媒体が理想です。葵の薗はまのの藤代先生からは、療養施設の立場でコメントがありました。これまでの紹介状は施設により異なっていたのが、やはり統一フォーマットで把握しやすくなったそうです。MSWのシートで医療情報以外のこと、例えば家族のことなども記載してあるので、面談の効率も上がったったそうです。また、介護職員にも専門的知識の教育が必要ということでした。  がんのシートはこれからのようですが、千葉県がんセンターの木村先生が提示された「がん手帳は」よくできているなあと思いました。まずとびらに医療連携の説明、次に検査の説明、検査の予定などがあって、患者さんや家族にはわかりやすいです。  質問では、県への注文、各パスの統一のリクエスト(慢性期フォロー)、三次救急病院や特定機能病院以外の中核病院の役割についての質問がありました。こうしていろいろな意見を出せるのも、連携パスのメリットです。   印旛脳卒中地域連携パス も、千葉県共用パス移行へ準備をしなければなりません。ただ今日の話では、シートに直接入力するのは小さくて不便な印象、やっぱりFileMakerバージョンを作成しないとだめかな...

第29回『神経内科を語る会』

新松戸中央総合病院で開催された、第29回『神経内科を語る会』に参加しました。Wernicke脳症、neuro-Behcet、MSA-P例が提示されました。 以前水野美邦先生とご一緒したときに 、「mini-polymyoclonus、dropped head、PISA signはMSA-P>PD、camptocormiaやREM睡眠時行動異常はPD>MSA-P、tandem gaitができるのはPD Yahr III以下>MSA-P、re-emergent tremorはPDでETではない」とご指導いただいたことを思い出しました。

Neuroscience 2009: 最終日

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 今日は「Purine Receptors」というポスターセッションがあり、アデノシン受容体の演題が多数ありました。協和発酵キリン(株)は、K-056という新しいアデノシンA2A受容体拮抗薬をポスター発表していました。KW6002より親和性も選択性も高いようです。リスボン大学のグループは、 神経筋接合部のアセチルコリンによる伝達がアデノシンA1受容体とA2A受容体により調節されていることを研究 されていますが、これが加齢により変化し、A2A受容体の作用が減少することを発表していました。午後、パーキンソン病のセッションでTMSX PETによるパーキンソン病のアデノシンA2A受容体のポスターを出しましたが、「Purine Receptors」のセッションに入ると良かったです。今回も、私のポスター印刷は、 カラープリントショップアドテック によるものです。  午前は、インディアナ大学Sporns先生により脳内のネットワークの解析について講演がありました。 この論文 が詳しいです。precuneusとposterior cingulate gyrusのコネクションが多く、脳のhubとして機能している可能性あり、という話は興味深いです。 シカゴ郊外GenevaのFox Riverです。

Neuroscience 2009: ミシガン湖

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 最近の学会は撮影禁止、Neuroscienceも同様です。デジカメはメモ代わりに有用で、例えばブログの記事を正確に記載するにも必要なんですが... しかたがないので、McCormick Placeから外に出て、ミシガン湖を撮影しました。  今日は、シグマ受容体のセッションを聞きました。私が[ 11 C]SA4503 PETで研究していた頃は、シグマ受容体のことはわからないことだらけで苦労しましたが(私の論文は パーキンソン病 と アルツハイマー病 )、今はこうしてセッションができるくらい注目されるようになったわけです。受容体が小胞体に存在しタンパク質を安定化するシャペロン機能が明らかにされました。でも、このセッションでプレゼンテーションで使用されるスライドでは、細胞膜に存在する図が多く、oralで訂正する先生が多かったです(という私も、小胞体に受容体が存在する図はまだ作っていません...)。シグマ1受容体作動薬は、神経保護のみならず神経再生にも期待されるようです。  ポスターでは、アデノシンA1およびA2A受容体拮抗薬であるカフェインがジスキネジア減少に寄与するというKOマウスの実験がありました。DBSの演題も多数ありました。日本医科大学の先輩でもある東京都立神経病院横地先生とお会いすることができ、DBSの手術適応の決定方法・カンファレンスなどご教示いただきました。

Neuroscience 2009: NIHの研究費は100億ドル

 大学の研究推進課からのメールで、平成22年度科学研究費補助金のうち、「新学術領域研究(研究課題提案型)」(文部科学省より公募)と「若手研究(S)」(日本学術振興会より公募)が、平成22年度概算要求の見直しに伴い停止されたと、通知がありました。いずれも1件あたりの予算が大きいものです。  本日Special Presentationとして、NIHのDirectorであるFrancis S. Collins先生より、"The Future of NIH: Advancing Biomedical Research to Benefit Humankind"という講演がありました。Collins先生は、あの「 Human Genome Project 」を成功させた業績があります。NIHが配布する研究費は100億ドル、ドルが安くなったといっても1兆円弱です。そして、トップが学会で、NIHが今後何に力をいれていくかをpresentation。戦略的に、自国だけでなく、世界中の医療の進歩に貢献しているわけです。  でも日本の学者は予算が少ない中、世界と対等に戦っています。少ない予算と研究以外の雑用の中でなんとかするんです。小規模研究を増やすというのも、日本ではよい戦略かもしれません。  今日もポスターではアデノシン受容体関係のものがいくつかありました。Biogenldec社はBIIB014というアデノシン受容体拮抗薬の線条体での受容体占拠率をラットで調べた演題を出していました。ニュージーランドのSonsalla先生は、カフェインがパーキンソン病モデルラットのドパミン神経の保護をすることを報告しました。順天堂大学の上窪先生は、アデノシンA1受容体が小脳のlong-term depression (LTD)をグルタミン酸受容体を介して調節していることを報告しました。東京大学の松本先生は、ドパミンによるαシヌクレイン発現の実験を報告しました。

Neuroscience 2009: adenosine A2A受容体など

 シカゴで開催中のNeuroscience 2009に出席中です。アデノシンA2A受容体の演題(全部基礎実験)も多数出ています。  National Institute of Biomedical Imaging and BioengineeringのAbesh Kumar BHATTACHARJEE先生は、ratの[F-18]SCH442416 PETの演題を出されていました。  マサチューセッツ総合病院のSchwarzschild先生のグループは、以前からアデノシンA2A受容体の研究を行っていますし、2006年にはアデノシンA2A受容体の学会を開催しています。今回は、"Adenosine A2A receptor gene deletion confers protection of nigral neurons in an alpha- synuclein model of Parkinson’s disease"という演題を出していました。  朝の講演は、John Hopkins大学のHuganir教授の受容体・シナプスと記憶の話。California大学のArnold教授からは、脳の性差についての話がありました。性ホルモンだけでなく、性染色体の違いもあることを提示されていました。  今日から、企業などの展示も始まりました。これがまた大量。ほとんどは実験機器の会社ですが、NIHの各セクションがブースを出し一角をなしていたのが印象的でした。

Neuroscience 2009: Abstractはここにあった!

Neuroscience 2009の抄録のPDFが、 ここ にありました。 iPod touchにダウンロードできたもの は抄録を含んでいませんでした。私の発表は、 ここ に掲載されています。

Neuroscience 2009: Magic, the Brain, and the Mind

マジシャンの Apollo Robbins と Eric Mead をお招きして、マジックにおける記憶・注意・認知の講演がありました。もちろん、マジックも。 Apollo Robbins: The Gentleman Thief from Whizmob on Vimeo .

Neuroscience 2009 in Chicago

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シカゴで開催されているNeuroscience 2009に参加中です。私の海外デビューだった1996年のワシントンで開催された学会以来です。とにかく巨大な学会、昨年の参加者は3万人以上、演題も16,000あまり、だから大きな会場がある都市じゃないと開催できません。今回の会場の McCormick Place も巨大な展示場で、例えばカフェもいくつかあるのですが長蛇の列、聞きたかったセッションも遅刻です。同時に様々な講演やシンポジウムがあり、計画を立てて会場を回る必要があります。以前は電話帳のような抄録集が配布されていたのですが、 日によって分離されたプログラム のみ(またはCD-ROM)、抄録は Neuroscience Meeting Planner で見ることができます。あるいは、PDA用に サイト からダウンロードするようになっています。  いつもの学会では画像の話ばかりなので、今日は視点を変えて、シナプスの形成や制御のセッションを聞きました。ショウジョウバエのモデルを使っていました。  ポスターも大量です。パーキンソン病のモデルがいくつか出ていました。

PMOD version 3 build 9

PMOD 3.0のbuild 9がリリースされていました。ときどきサイトを見に行かないと気づかない...

地域医療再生基金の減額?

地域医療再生基金も、補正予算削減の対象? 結局必要なものも切られていくんでしょうか。脳卒中地域連携パスでは基金を期待していたんですが。お役人に配布するのではなく、科研費のように、現場の人間に計画書を作らせて、審査して配布するようにしていただけるといいのですが。 記事は こちら 。

街ぐるみ認知症相談センター

日本医科大学老人病研究所 の街ぐるみ認知症相談センターに行ってきました。タッチパネルのもの忘れチェックシステムも見せていただきました。

千葉県共用地域医療連携パスワーキンググループ第2回脳卒中部会

千葉県共用地域医療連携パスワーキンググループ第2回脳卒中部会がありました。介護と医療連携、全体会議について話し合われました。

総説:日本医師会雑誌 第138巻 第7号

以下の総説が出版されました。 三品雅洋、松本尚:脳卒中医療連携の現状と問題点;ドクターヘリを駆使した印旛脳卒中地域連携パス。日本医師会雑誌 第138巻 第7号, p1353-1357, 2009 日本医師会会員の方は、 日本医師会のサイト からPDFをダウンロードできます。

第49回日本核医学学会総会

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 旭川で開催されている、 第49回日本核医学学会総会 に参加中です。今回のテーマは「核医学ー再発見と技術革新」。脳の分野では、分子イメージングと検査の標準化がキーワードでした。そして、SPECTよりPETの演題が多かったような気がします。神経学会ではパーキンソン病のMIBG心筋シンチの演題がたくさん出ますが、核医学学会ではコリメータと散乱線補正の演題を散見する程度。核医学学会に出てくる神経内科医は、MIBG心筋シンチは興味の対象外? 以前書きました が、MIBG心筋シンチの標準化は絶対必要です。少なくとも、神経内科医にquality controlや散乱線補正・コリメータのことは無理なので、放射線科医師と技師のお力が必要です。   旭山動物園 名誉園長小菅正夫先生の特別講演もありました。種の保存など、学者の視点で動物園は運営されているのですね。行ってみたくなりました。が、時間が取れませんでした... Snow Leopardもいるようです。