Neuroscience 2009: NIHの研究費は100億ドル

 大学の研究推進課からのメールで、平成22年度科学研究費補助金のうち、「新学術領域研究(研究課題提案型)」(文部科学省より公募)と「若手研究(S)」(日本学術振興会より公募)が、平成22年度概算要求の見直しに伴い停止されたと、通知がありました。いずれも1件あたりの予算が大きいものです。
 本日Special Presentationとして、NIHのDirectorであるFrancis S. Collins先生より、"The Future of NIH: Advancing Biomedical Research to Benefit Humankind"という講演がありました。Collins先生は、あの「Human Genome Project」を成功させた業績があります。NIHが配布する研究費は100億ドル、ドルが安くなったといっても1兆円弱です。そして、トップが学会で、NIHが今後何に力をいれていくかをpresentation。戦略的に、自国だけでなく、世界中の医療の進歩に貢献しているわけです。
 でも日本の学者は予算が少ない中、世界と対等に戦っています。少ない予算と研究以外の雑用の中でなんとかするんです。小規模研究を増やすというのも、日本ではよい戦略かもしれません。

 今日もポスターではアデノシン受容体関係のものがいくつかありました。Biogenldec社はBIIB014というアデノシン受容体拮抗薬の線条体での受容体占拠率をラットで調べた演題を出していました。ニュージーランドのSonsalla先生は、カフェインがパーキンソン病モデルラットのドパミン神経の保護をすることを報告しました。順天堂大学の上窪先生は、アデノシンA1受容体が小脳のlong-term depression (LTD)をグルタミン酸受容体を介して調節していることを報告しました。東京大学の松本先生は、ドパミンによるαシヌクレイン発現の実験を報告しました。

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