第11回千葉パーキンソン病研究会

 京成ホテルミラマーレで開催された、第11回千葉パーキンソン病研究会に参加しました。昨年も参加しました
 東邦大学医療センター佐倉病院の榊原隆次先生からは、パーキンソン病の便秘についてのご講演がありました。榊原先生は排尿障害など自律神経症状について多数の業績があります。パーキンソン病では便秘が効率に合併しますが、L-DOPAで便意が出やすくなったりanismusが軽快するそうです。さらに症状が改善しないときは、ガスモチンや大建中湯が効果的だそうです。
 東北大学武田篤先生からは、嗅覚障害についてのお話がありました。黒質細胞は45万、加齢により減少します。パーキンソン病ではさらにexponentialに減少します。これまで神経保護作用を目的にした薬剤が数々開発されてきましたが、当然ですが発症後のパーキンソン病が対象になっていました。しかし、発症前の、減少しきっていない時期に投与しないと効果が発揮できなかったのかもしれません。そのためには、発症前に診断する手段を開発する必要があります。私たちが核医学学会で発表した、偶然発見された発症前の11C-CFT PETもありますが、治療薬投与で集積が変化する可能性があります。そこで、嗅覚障害など非運動症候が注目されているわけです。ただ本日びっくりしたのは、アミロイドPETリガンドとして開発された、BF227で、αシヌクレインやGCIに集積があり、今回MSAのGCIを画像化した、ということ。間もなくBrainに掲載されるそうです。健常中脳にも集積があるので、パーキンソン病の黒質変性を捉えられるかどうかはこれからだそうですが、期待されます。あるいは次のリガンド? いわゆる神経保護作用も、変性する黒質細胞そのものというよりも、被殻より先の回路がいわば錆び付かないようにする効果ではないか、とのこと、発症早期にも積極的な治療がいいのかもしれません。

コメント

このブログの人気の投稿

北村伸先生(1950-2024)

東京労災病院 区民公開講座

FileMaker Server 19で、バックアップフォルダを外付けHDにするには

第14回『脳梗塞フォーラム』研究集会