Fighting Cascular Events in Chiba

 ホテルスプリング幕張で開催された、Fighting Cascular Events in Chibaに出席しました。
 日本医科大学千葉北総病院の原行弘先生からは、NIRSを使ったシロスタゾールの機能的な脳血流増加を示した研究が紹介されました。単に脳全体の血流が増えるだけでなく、ある言語の課題で前頭前野の血流増加がシロスタゾール投与後、より増加したそうです。
 九州医療センターの矢坂正弘先生からは、抗血栓療法についてのご講演がありました。本邦の脳梗塞の再発は10年以内に2人に1人、とくに心原性脳塞栓は75%と報告されています。血圧・糖尿病・喫煙・心房細動などのリスクコントロールが大事です。日本人の心房細動は徐々に増えているそうな。ワルファリンでコントロールされていれば、再発しても小さく済みますが、PT-INR 1.6以下だと大梗塞になってしまうそうです。CHADS2 scoreというのがありますが、CHA2DS2-VASc scoreというのができたそうです。また、出血リスクについてはHSA-BLEDがあり、3以上で1年以内に3.7%が大出血。ワルファリンは納豆が禁忌だしコントロールが難しい症例もいますので、トロンビン直接阻害剤やXa因子阻害剤が期待されています。ただ、治療域はワーファリンより広いのでmonitoringは不要ですが、出血頻度はまだまだこれからだそうで。CSPS IIは、Lancet Neurolにpublishが決定。抗血小板剤の併用ではやはり出血が増える
 長崎大学永田泉先生からは、脳卒中治療全般についてのご講演がありました。特に無症候性頚動脈病変については興味深いお話が拝聴できました。Reviewはこちら。吹田studyはこちら。内頚動脈の物理的なストレスがかかるところでプラークの破綻が起きやすいそうで。降圧が意味があるわけです。脳梗塞発症48時間以内はstatinの新規投与は避けた方がいいらしいです(こちら)。ただし、元々服用されている方では、止めたときのreboundがあるので続けた方がいいそうです。CEAのreviewはこちら。statinの登場で、頚動脈病変に対する内科治療の成績は、過去のCEAに匹敵するレベルになったそうです。

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