ミカムロ新発売記念講演会

 京王プラザホテルで開催された、ミカムロ新発売記念講演会に行きました。

 慶応大学福田恵一先生からOpening Remarksがありました。うっ血性心不全では、2回目以降の入院で半数が他界、リスクである高血圧の是正が重要です。7種類以上の内服薬の投薬があると処方せん料が減らされます。血圧の合剤の登場で、解消されてきたそうです。
 東京女子医科大学萩原誠久先生からは、虚血性心疾患の血圧コントロールについて講演がありました。高血圧は心筋梗塞のリスクでもありますが、予後に影響を及ぼす因子でもあります。Blood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration(BPLTTC)のMeta-analysisでは、ARBよりACE-Iの方が脳卒中・冠動脈疾患・うっ血性心不全の抑制効果が明らかだったそうで。HIJ-CREATEでは、日本人の冠動脈疾患患者でARBのCandesartanが、特にCKDを有する患者で有効であったと。論文はこちらこちら。ARBは認容性が高いのも長所です。厳格な降圧をしようとすると、多剤併用が必要な症例が多いです。ACCOMPLISH試験では、ACE-Iのbenazeprilと利尿剤hydrochlorothiazideの合剤より、Ca拮抗剤amlodipineとの合剤の方が心血管イベントを抑制したとか。降圧効果は同等なので、他の理由がありそうです。動物実験では、amlodipineの抗酸化作用→プラーク安定化が証明されているそうで。
 大阪大学の小室一成先生からは、うっ血性心不全での降圧効果についてご講演がありました。日本人の死亡原因トップはガンですが、欧米は心疾患。うっ血性心不全の予後はガン並み。Japanese Cardiac Registry of Heart Failure in General Practice(JCARE-GENERAL)の論文はこちら。うっ血性心不全では収縮能障害が頭に浮かびますが、拡張能障害の存在を強調されました。N Engl J Medの論文はこちら。ESC Guidelinesはこちら。ラプラスの法則はこちら。peroxisome-proliferator–activated receptor (PPAR) のreviewはこちら
 パネルディスカッションの東京警察病院白井徹郎先生は、冬の早朝高血圧、国際医療研究所センター病院の諸井雅男先生は、日内変動についてお話されました。変動幅がリスクになるそうです。

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