Stroke Prevention Conference

ホテルグランドパレスでStroke Prevention Conferenceが開催されました。私は羽田から直行。


ブログの師匠、目々澤肇先生のブログもご参照ください。


日本医科大学の大久保誠二先生は、リバーロキサバンの使用経験について。ダビガトランが血中濃度とAPTTが相関する傾向があるのに対し、リバーロキサバンはPTに相関。新規抗凝固薬を使用すると、ワルファリンより在院日数が減少すると。調節が容易だからでしょうね。

熊本市民病院の橋本洋一郎先生からは、心原性脳塞栓症の治療と予防について。心原性脳塞栓は重症になりがち。脳卒中の医療連携では橋本先生はご高名で、私たちも脳卒中地域連携パスのことではご指導いただきました(こちらこちら)。今は、リハビリなど後方連携だけでなく、前方連携によるかかりつけ医による発症予防に力を入れているそうです。その結果、熊本市はワルファリンのコントロールが得意な先生が増え、新規の抗凝固薬の普及が伸びていないとか... 軽症の脳卒中ほど脳卒中専門機関に紹介してほしい、というご意見は、私も賛同します。アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞の患者が心房細動を合併している場合、抗血小板剤と抗凝固剤を併用するのか、単剤かが迷うところです。多くの大規模研究で、併用で脳出血など出血性合併症が増えることから、橋本先生は単剤が原則とおっしゃいました。アスピリンはワルファリンの代わりにはなりませんから、心房細動が伴う場合はラクナでもワルファリンでと。リバーロキサバンは肝硬変には使えないので、必ず使用前にPTの測定を。半減期は12時間ですが、凝固系に直接効くため血中濃度のピークとトラフがあっても問題にならないらしい。実際、透析患者は原則ワルファリンは禁忌(脳出血が多い)ですが脳梗塞発症は少なく、透析で使用されるもっと半減期が短いヘパリンでも心原性脳塞栓を予防できているかもしれないと。PT-INRの変動が問題になるワルファリンとは対照的です。九州医療センター矢坂先生の総説はこちら。 HAS-BLED出血リスクスコアはこちら

橋本先生も10月11日〜13日札幌で開催されていたリハビリテーション・ケア合同研究大会にご参加で、札幌からいらっしゃったそうです。おつかれさまでした。

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