合同シンポジウム1 第39回日本脳卒中学会総会 –Stroke 2014−

合同シンポジウム、脳卒中急性期の検証と再評価では、現状と問題点が議論されました。



国立循環器病研究センターの豊田一則先生からは、rt-PA静注療法について。日本では脳梗塞の約5%に実施されていると推計。 Safe Implementation of Thrombolysis in Stroke-Non-European Union World(SITS-NEW)はこちら。The ENCHANTED studyはこちらTHAWSDIAS-JIST-3も紹介されました。

国立循環器病研究センター名誉総長の山口武典先生からは、PROTECT4.5の中間集計。3〜4.5時間と3時間以内で大きな差がなかったと。詳細はこれから。

聖マリアンナ医科大学の植田敏浩先生からは、脳梗塞急性期の血栓回収ディバイスについて。IMS-IIIの失敗を教訓にdoor to punctureを短縮、再開通率50%→74%へ。

ロナルドレーガンUCLAメディカルセンターの立嶋智先生からは、血栓回収療法の欧米の現状について。iv tPA後すぐに血管内治療を開始すること、近位部閉塞に限定することなど、IMS-IIIを教訓に、SWIFT-PRIME、POSITIVE、ESCAPEなどHonolulu shock後の臨床試験は工夫されているようです。また、ステント型デバイスの登場で、MELCIは減少、PENUMBRAは併用と。

神戸市立医療センター中央市民病院の坂井信幸先生からは、MELCI・PENUMBRAの国内全例調査について。後者の最終結果はこれから。

弘前大学大熊洋揮先生からはくも膜下出血の初期診断について。初期診療で見逃されている症例が少なくなく、walk inの1/3が再出血で脳外科に搬送と。MRI FLAIR画像の重要性を強調されていました。しかし、赤血球濃度65,000/cc以下ではFLAIRでは出ないと。こちら

国立循環器病研究センターの佐藤徹先生からは、椎骨動脈解離での血管内治療の実態について。JR-NETはこちら

本邦では、血栓回収療法は、rt-PA静注療法に適応がある場合はrt-PA後に実施することになっています。近位部閉塞などではrt-PA静注療法をスキップしてもいいのでは、という意見もありましたが、血管内の坂井先生からは、静注後1時間待機してから血管内の準備を始めるのではなく、すぐに血管内の準備をしてシースを入れ、clotに到達するまでに40分くらいは経ってしまうので、rt-PA静注療法をスキップする理由はないと。また、血管内の治療成績をあげるにはdoor to punctureの時間を短縮が必要、そのために、医師の技量だけでなく、看護師・放射線技師などチーム全体の修練の必要性が強調されました。

コメント

このブログの人気の投稿

認知症診療セミナー