日経メディカルオンラインの記事:進行型脳梗塞はどのように治療すべきなのか

 日経メディカルオンラインに「進行型脳梗塞はどのように治療すべきなのか」というインタビューがでていました。
 「ラクナ梗塞でも最初から強力に治療しようと、入院当初からオザグレルナトリウムとヘパリン、アスピリンを併用する」という、済生会熊本病院脳卒中センター神経内科の河野浩之先生のご意見に賛成です。
 私たち日本医科大学千葉北総病院脳神経センターでも、ラクナ梗塞では入院当初からヘパリンを投与しています。エビデンスがないので、学会で言うと袋だたきに遭いますが。
 まず、ラクナ梗塞こそSCUまたはSUで専門的な治療をすることで差がでると思っております。医療者は少しでも改善すれば「成功」と思いがちですが、患者は発症前の状態に戻ってこそ満足されます。ちょっとした後遺症で職場復帰ができない場合もございます。となると、税金を払う立場か使う立場か、家族を養うか介護されるかの違いになる可能性があるのです。もちろん、ヘパリンの有無が、この違いになるかはエビデンスはございません。
 また、進行性脳梗塞の経過になってからヘパリンを投与される施設も多いのですが、進行してからヘパリンを投与して、元に戻らない症例が多いのではないでしょうか? もちろん、ヘパリンを最初から使っていても、私たちの施設ではラクナ梗塞の15%に進行例を経験していますので、「じゃ、効いてないじゃないか!」というご批判もごもっともです。
 というわけで根拠のない意見で恐縮ですが、ラクナ梗塞でのヘパリン使用に賛成です。

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