女子医大・日本医大NEURO-CONFERENCE

東京ドームホテルで女子医大・日本医大NEURO-CONFERENCEが開催されました。

 東京女子医科大学中村智実先生からは、低酸素による血管拡張についての講演がありました。gliaによる脳血管系の調節の仕組みはこちら。中村先生の論文はこちら。骨を外して低酸素の実験をすると、脳浮腫が起こり、ご苦労されたそうです。NADHは自らが光る。頚動脈の酸素検知の仕組みはこちら。HO-2はneuronにあり、Cystathionine-β-synthase(CBS)はastrocyteにある。HO-2 knockout mouseでは、penetrating arteryは増加、precapillary arteryは拡張せず。H2Sは血管拡張。penumbraはPO2 30相当。逆に酸素過剰は血管収縮に働きそうだとのことでした。
 東京女子医科大学星野岳郎先生は、脳梗塞に先行した一過性脳虚血発作の検討でした。EXPRESS studyはこちら。TIAのreviewとmeta-analysisはこちら。後ろ向きにTIAがあった群は、アテローム血栓性脳梗塞が多かったそうです。1/4に脳梗塞発症前のTIAらしき症状があり、その2/3はTIA後の抗血栓療法が開始されていませんでした。また、ABCD2 scoreに反映されないsubgroupも存在したとか。また、TIAから1週間以内に脳梗塞を発症した群はアテローム血栓性脳梗塞が多かったのですが、1週間以上経ってから脳梗塞になったのは心原性脳塞栓が多かったそうです。めまい、構音障害など、単独ではTIAとされない症状のみの場合もあったとか。病歴が大事です。
 日本医科大学斉藤智成先生は、atorvastatinの虚血前後の投与による脳保護効果についての講演でした。atorvastatin 20mg/kgはヒトでは1000mg相当... しかしげっ歯類はHMG-CoA還元酵素が少ないので、大量に投与しないと効果が出ないようです。日本医科大学大久保誠二先生からは、同付属病院SCUの現状の講演でした。

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