Tolerability and Well Control of Diabetes

ホテルニューオータニで、Tolerability and Well Control of Diabetesがありました。DDP-4阻害薬の講演会です。

 朝日生命成人病研究所の櫛山暁史先生からは、sitagliptin 100mg錠の使用経験のお話。50mg投与で効果があった症例こそ100mgに増量すべきで、50mgで効果がないときは100mgでも効果がないそうで。non-responderがあるみたいですね。ただ、それを知る手だてがない。100mg投与では腎機能は注意と。
 東京慈恵会医科大学の坂本昌也先生は、sitagliptinとinsulinの併用療法について。insulin+経口薬の研究はこちら。2型糖尿病強化療法のmeta-analysisはこちら。強化療法による死亡率低下は証明されず。血糖の日内変動についてはこちら。本題のsitagliptinとinsulinの併用療法は、insulinのみで高血糖のところが、併用では変動幅が減少ということで、日中の高血糖がある患者で特にsitagliptinの併用が有効なようです。
 順天堂大学綿田裕孝先生は、インクレチンに関するご講演がありました。Dipeptidyl Peptidase-4(DPP-4)がGLP-1やGIPなどインクレチンを阻害、インクレチンは血糖値依存的に膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進する、だからDPP-4阻害薬は糖尿病にいい。と思っていましたが、そんな単純な話じゃないようです。GLP-1は膵α細胞からのグルカゴン分泌を抑制し、血糖低下に働きますが、これも直接GLP-1が膵α細胞に働いているのかも意見が分かれています。迷走神経を介したGLP-1の働きはこちら
Interleukin-6(IL-6)とGLP-1の関係はこちら。マウスを運動させると骨格筋のIL-6が増加、その結果腸のL細胞と膵α細胞からのGLP-1が増加、インスリン分泌と高血糖を改善しますが、GLP-1受容体KOマウスだとIL-6増加によるこの効果がでない。

 最近の糖尿病治療は選択肢がたくさんあるので、糖尿病専門医がたくさん必要です。

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