最終日:The 16th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders

ICPD 2012も今日が最終日。

Plenary Sessionでは、α-synucleinの基礎。
Robert Edwards先生は、α-synucleinが細胞から放出される仕組みについて。α-synucleinの構造はこちら
C末端は細胞膜に付いていない。こちらの総説もご参照ください。synucleinノックアウトマウスの論文はこちら
Maria Grazia Spillantini先生は、α-synucleinの凝集について。J Neurosciの論文はこちら。SNAREの論文はこちら。Nature Cell BiologyにもSNAREの論文がありました。織茂智之先生の論文はこちら。oral rotenone treatmentの論文はこちら
Deniz Kirik先生からは、パーキンソン病動物モデルについて。MPTPモデルが主流でしたが、OHDAモデルなどが登場しました。Natureの総説はこちら。アデノウイルスによりα-synucleinを過剰発現させるモデルはこちらこちら。GDNFの論文はこちら。α-synucleinとubiquitinの関連はこちら

Sato Hらの論文はこちら。生殖細胞への伝達が可能なトランスジェニック非ヒト霊長類モデルはこちら


その後は、ICPDでは恒例の、Controversies。
1題目は動物モデルがneuroprotectionを予見できるかどうか。Serge Przedborski先生はYesの立場。MPTPモデルでミクログリア活性を抑制し神経保護を証明した論文はこちら。ヒトでは神経細胞死の原因が様々。臨床研究ではプラセボでも症状が改善するし、感度が高いマーカーもない。Anthony Lang先生はNoの立場。パーキンソン病患者の多くは多剤併用。動物モデルが正確にパーキンソン病患者の病態を反映しているわけではない。上記で出てきた総説にも動物モデルの矛盾点が論じられています。加齢変化の考慮、治療ターゲットが単純、発症前・運動症状発現前が臨床と矛盾。でもLang先生はプレゼン画面の操作がうまくいかず「マウスが必要だ... しまった...」と。
2題目は本態性振戦がパーキンソン病の前駆症状がどうか。Elan Louis先生はYesの立場。ET-PD症候群が知られています。Charles Adler先生はNoの立場。診断や共通の症候が問題。

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