The 13th International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders 2
June 9
Christopher G. Goetz教授から、Jean-Martin Charcot先生の業績についての講演がありました。詳細な観察と記録が印象的でした。Richard I. Morimoto教授からは、タンパクの異常と神経変性疾患に関する講演を聞きました。
Richard Lewy教授とPeter Redgrave教授からは、大脳基底核の生理学の講演がありました。基底核のcaudaはphysical feature domain、Rostralはspatial domain。
Peter Redgrave1 and Kevin Gurney. Nature Rev Neurosci 7, 967-975
睡眠障害のセッション
REM behavior disorderについてはRon B. Postuma先生から、治療法として、抗不安薬の中止・clonazepam・melatonin(3mg)・ベッドの安全確保を挙げられました。Juliane Winkelmann先生からは、Restless Leg syndromeの遺伝子についての講演がありました。Alejandro Iranzo先生からは、parasomniaの多数の動画の提示がありました。
最後に、眼球運動障害の診察方法のワークショップに参加しました。眼球運動制限の程度を見るとき、まずは片方の目を隠して観察、次に両方を見る。次に、自分の鼻を見てもらい、検者が持つペンを見てもらう。こうすることで、遅い眼球運動がわかるようです。次に、追視ではなく自発的な眼球運動。左右のコブシの一方を立て、対側を見ていただく。次が頭部の動きに合わせた眼球運動。通常は他動的に素早く動かしても目の動きは付いていきますが、障害があると、遅れて眼球位置を修正するそうです。今回被験者のデモとなったSara先生は眼鏡をかけていたので、かけていないと遅れました(これも正常)。次に、縞の布を動かし眼振の観察。最後に輻輳。Richardson's syndromeの提示もありました。進行性核上性麻痺で垂直性眼球運動障害が出ますが、初期はまず眼球運動が遅くなる。これをきちんと診察しなければなりません。今後は眼球運動の診察に時間がかかりそうです。
June 10
私はポスター発表がありました。
画像診断のセッションを聞きました。TMSや治療によるfMRIなど脳機能の変化について、Antonio P. Stafella先生、Hartwig R. Siebner先生、そしてDavid Eidelberg教授の講演がありました。今回のポスターでもそうでしたが、最近患者のactivation studyが盛んに研究されています。私たち東京都老人総合研究所でもかつて盛んにやっていました。当時はSPMもなく、MRIとPETの位置合わせも手動で行っていました。1例やるだけで目がショボショボ... 今はfMRIを中心に簡単にできる道具がそろっていますから... それにしても、ICPDでも雑誌「NeuroImage」が重要な位置を占めてきたようです。
歩行障害のビデオセッションを聞きました。Fay B. Horak先生からは、生理学の立場からの歩行障害。すくみ足というのは、予想がつかない場合のつまづきに似ている。J Neurol 2006 Pushは、pullやreleaseと比べると強い刺激。Neurology 2009 Rodger J. Elble教授からは、臨床医の立場から歩行障害の解説がありました。それにしても、今回の学会は動画の提示が当然多いのですが、動画が動かないことが多々ありました。その度に、評価シートに「Use Macintosh, please」と書いてやりました。通常プレゼンテーションにはMicrosoft PowerPointを使いますが、動画が苦手。Mac専用のKeynoteを使えば、High Visionの重い動画だってスムースに動きます。
夜はVideo Olympics。興味ある不随意運動症例の動画を出してexpertがコメント、演者が最終診断を出す、という形式。勉強になりました。が、あまりにもおそい時間までやっているので、耐えられず途中棄権しました... 日本時間に直すと朝7時まで徹夜で討論...
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