お茶の水ニューロサイエンス・セミナー
東京医科歯科大学で開催された、お茶の水ニューロサイエンス・セミナーに参加しました。講師は、日頃ご指導いただいている、東京都健康長寿医療センター研究所(旧東京都老人総合研究所)神経画像研究チームチームリーダー石渡喜一先生で、PETでどのような研究ができるか、PET薬剤の開発などのお話がありました。まず、腫瘍・てんかん・認知症・ヒ素中毒・もやもや病・ミトコンドリア脳筋症の自験例を中心に提示されました。J-ADNIでは都老研が中心的な役割を担っていますが、都老研での[11C]PIB PETの検討では、アルツハイマー病では100%陽性、軽度認知障害(MCI)では60%、健常者では15%だったそうです。東北大学が開発した、[11C]BF-227 PETとの相違も提示されました。それから、石渡先生が開発した、TMSX(アデノシンA2A受容体)、MPDX(アデノシンA1受容体)、SA4503(シグマ1受容体)の開発と応用例を供覧いただきました。ホウ素中性子捕捉療法の適応を決める[18F]FBPAは、石渡先生が東北大学で最後になさったお仕事、それが数年後自身にもどってきたということでした。今後の研究として、ガンのgolden standardであるDNA合成速度を画像化する[11C]SdThd PETの実現を目指していらっしゃるそうです。
1つの放射性薬剤を開発するには、いくつもの類似薬剤を比較検討してできあがる、大変な作業です。しかし開発側は、その薬剤が予想外の方面で役に立つ場合もあるそうで、薬学者・化学者だけでなく、医者・生理学者・企業など、さまざまな業種が連携することで、PET研究がなりたっているというところが、印象的でした。
1つの放射性薬剤を開発するには、いくつもの類似薬剤を比較検討してできあがる、大変な作業です。しかし開発側は、その薬剤が予想外の方面で役に立つ場合もあるそうで、薬学者・化学者だけでなく、医者・生理学者・企業など、さまざまな業種が連携することで、PET研究がなりたっているというところが、印象的でした。
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